センター長 伊藤 孝史 准教授
「働き方改革」関係法に基づく「産業医保健機能の強化」のため、産業医がセンター長を務める診療支援施設です。労働改革と健康・安全確保が調和した新しい働き方の実現を目指しています。
2018 年7月に公布された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」により、「時間外勤務の時間短縮」、「就業管理システムの導入による厳格な労働時間の把握」、「年次有給休暇の計画的かつ確実な取得」のため、「産業医・産業保健機能」が強化されました。これに先立ち、診療支援施設の一つとしてワーキング・イノベーションセンターが2019 年1 月1日に設置されました。
労働者の代表者である衛生委員と事業の実施を統括管理する者で開催される安全衛生委員会に、彼らが直接扱えない職員の健康情報を、個人情報保護のもと産業医が加工し提供しています。
また産業医として安全衛生委員会に参加し、この資料に基づき安全衛生委員会が行う労働者の安全確保措置に対して助言・勧告を行い、安全衛生委員会の適正な運営・執行を監視する役目を担っています。
産業医がセンター長を務めていることが最大の特徴です。時間外労働は、原則は月45 時間・年360 時間以内ですが、一般事業の特例でも上限が年720 時間のところを、医師では年960 時間、地域医療確保の特例では年1,860 時間まで、労使の合意のもと上限規制が2024 年4 月から変更されます。この時間外労働の拡大には、過労死水準である月100 時間を越えないよう業務内容・労働時間の把握と管理および追加的健康措置が確保されていることが前提です。このためには、附属病院事業場の医療業務のみならず、医学部事業場の研究・教育業務を含めて、タスクシフト等による業務量の低減や定型作業の自動化など現行業務のイノベーション(改革)を労使間で進めていく必要があります。
当センターでは、安全衛生委員会を通じて、時間外労働・職場環境等の改善や労働に関する意識の改革と労働者に対する適切な健康・安全確保が調和した新しい働き方の実現にむけて活動しています。