部長 林 健太郎 教授
院内の臨床現場で使用された医療器材の再生処理を行っています。
安全で質の高い、滅菌の保証ができる医療器材の供給を行うことを念頭に置き、日々の業務に取り組んでいます。
● 洗浄業務
ウォッシャーディスインフェクター多槽式1台、単槽式4台、減圧沸騰式洗浄装置1台、チューブ洗浄機1台、カートウォッシャー1台を保有しています。院内で使用された器材は、これら洗浄装置により、安全且つ効率的に洗浄されます。洗浄評価として、毎日 実施するインジケーターを用いた洗浄テストに加え、定期的に洗浄後器材の残留タンパク質量を測定し、日本医療機器学会が定める、1器材当たり200μg 以内という基準をクリアしているか確認を行っています。
● 滅菌業務
高圧蒸気滅菌装置4台、酸化エチレンガス滅菌装置1台、過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌装置3台を保有しています。メーカーによる装置定期点検、バリデーション、化学的インジケーター及び生物学的インジケーターを用いた滅菌効果の確認により、滅菌の質を保証しています。高圧蒸気滅菌装置の年間稼働回数は年々増加しており、2021 年は4,200回を数えます。
● 鋼製小物個体管理システム
当院では鋼製小物個体管理システムが導入されており、鑷子や鉗子を始めとする鋼製器材2 万点以上にRFID タグを取り付け、個体レベルでの管理を行っています。手術患者への器材使用履歴、洗浄や滅菌の履歴が管理され、トレーサビリティーを確立しています。また、器材のリアルタイムでの位置情報の確認、滅菌有効期限の管理などに役立っています。
● 減圧沸騰式洗浄装置
2022年、新たに減圧沸騰式洗浄という新しい技術を用いた洗浄装置を導入しました。この洗浄技術の仕組みは、洗浄槽内を真空ポンプで減圧し、洗浄液を50℃~90℃で沸騰させ、激しく攪拌することによって器材表面の汚れを落とすというものです。また、減圧と復圧を繰り返すことにより、管腔器材内部へも洗浄液を急速に通水させることができ、高い洗浄効果が得られます。