センター長 管野 貴浩 教授
医療安全の観点から、口腔機能管理業務に特化した診療支援施設として、2019 年から運用を開始しました。集中治療管理中や手術前後の口腔ケア、がん治療中の口腔有害事象の管理、摂食・嚥下領域など幅広くサポートを行います。
「周術期」とは、手術とその前後(入院から回復まで)の時期を指す言葉です。当院では、2019 年11 月に「周術期管理チーム」を設置し、医師だけでなく、看護・薬剤管理・リハビリテーションなどの専門家が連携して、術後の合併症の防止に取り組み、周術期の口腔機能管理は、歯科口腔外科の歯科医師、歯科衛生士が行ってきました。口は常に外界と接しているため、体内でも細菌が多いところです。患者さんが、口内を清潔にしないまま手術に臨んだ場合、口内の細菌が原因で肺炎などの合併症が引き起こされるリスクが高まります。一方、口腔ケアを行った場合には、胃がんや食道がん手術後の肺炎リスクが低下し、術後30 日以内の死亡が減少するなどの効果が報告されています。
手術件数の増加により、歯科衛生士を増員するとともに、全身麻酔を受けるすべての患者さんの口腔ケアを行う診療支援施設として「口腔ケアセンター」を設置することとし、本格的に運用を開始しました。術後の手術合併症のさらなる低減を目指します。
<周術期管理チーム>
周術期医療の安全のために、長時間手術や基礎疾患のリスク管理を行う、多職種の連携を目的とした周術期管理チームの一員として連携を行います。
<緩和ケア病棟との連携>
がん終末期患者は全身状態の悪化にセルフケア困難な状況が加わり、口腔トラブルを生じやすくなります。すべての入棟する患者さんに介入を行います。
<摂食・嚥下サポートチーム>
脳血管障害や頭頸部癌術後の、特に経口摂取が困難な患者さんのためのチームの一員としてサポートを行います。特に口腔内装置の作成など専門的な処置が可能です。
<栄養管理サポートチーム>
多職種による患者さんへの適切な栄養管理を行うチームの一員としてサポートを行います。主に義歯の管理や口腔衛生処置を支援します。
<高度脳卒中センター>
急性期の脳血管障害を対象としたセンターのサポートを行っています。