センター長 内尾 祐司 教授
献体によるご遺体を使用した手術手技等研修の企画に対する支援、ご献体の準備と調整、研修実施等のサポートを行います。
昨今、外科系手術は内視鏡・低侵襲手術が発達する一方で高難度となり、安全性を担保した、的確かつ正確な医療技術をもった次世代の外科医の養成が急務となっています。これまで、次世代の習練は専ら臨床実地で行われてきましたが、安全性の観点から、海外で行われているようなご遺体を用いた手術トレーニングの有用性が議論されてきました。2012年に日本外科学会と日本解剖学会は、合同で「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」を公表し、それまで学生実習や解剖学研究に限定されていた献体使用が医師及び歯科医師の手術手技の研修等にも可能となりました。
CST センターでは、本ガイドラインを遵守しながら、ご遺体を用いて高度で安全な医療技術の普及のための外科教育や、難治性疾患に対する新たな治療法の開発を行います。
2019 年4 月1 日、当センターが開設され、2020 年1 月11 日、高度外傷センター主催で最初のCST トレーニングが行われました。以来、眼科学講座主催による涙嚢鼻腔吻合術トレーニング、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座主催による耳鼻咽喉科臨床解剖実習(経鼻内視鏡手術)、高度外傷センター主催のCTACS(Cadaver Training for Acute Care Surgery)コース、ASSET(Advanced Surgical Skills for Exposure in Trauma)コース、整形外科学教室主催のCadaver を用いた膝関節手術・肩関節鏡視下手術手技トレーニング、腎移植センター主催のCTRT(Cadaver Training for Renal Transplantation)コースなどが行われています。
このような取組を通して、手術手技向上、安全な手術の推進、並びに新たな手術手技の開発に向けた医療人養成に役立てています。