島根大学医学部附属病院

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救急
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Aiセンター

Aiセンター_竹下先生

センター長 竹下 治男 教授

2011 年6 月にご遺体専用CT 装置を使用した死亡時画像診断=オートプシーイメージング(Autopsy imaging:Ai)を開始し、法医学的な死因究明の精度向上、院内死亡の死因の透明性確保と患者さんへの情報公開並びに臨床研究の支援を推進しています。

 

 

業務内容

Ai センターでは、以下に掲げるご遺体をAi の対象としています。

 

1. 当院入院患者ご遺体及び当院外来患者ご遺体のうち、次の条件に該当するご遺体

 ア:予期しない死亡(死亡時スクリーニングシートにおいて想定外の急変「あり」)のご遺体

 イ:医療に起因した死亡(死亡時スクリーニングシートにおいて医療行為に起因する死亡「あり」)のご遺体

 ウ:担当医が必要と判断したご遺体

 エ:医療安全管理部から指定したご遺体

 オ:家族が希望したご遺体

 カ:病理解剖対象患者のご遺体

2. 本学医学部に献体(解剖実習用)されたご遺体

3. 警察からの依頼による法医検査ご遺体

4. 医療機関等からの依頼によるご遺体

 

 AiCT 検査の費用は、医療安全と臨床教育研究のための先行投資と考えて、院内死亡例は全て病院が負担しています。一方、外部依頼は有料で行い、撮影43,028 円、読影26,136 円と定めています。また、ご家族からの希望があれば有料(1,620円)にて全画像をDVD で提供しており、院内死亡例の死因究明の透明性が確保されていると考えています。


 

特徴

  

 2011 年6 月27 日~ 2024 年3 月31 日までの総検査数は4,339 件となりました。入院患者と救急外来患者による院内死亡例のAiCT 検査が67%と多くを占めていますが、警察依頼のAiCT 検査もあります。警察依頼のAiCT 検査は、Ai に対する予算が確保されていない問題もあり初年度の検査数は伸びませんでしたが、試験的にAi を実施した結果、警察関係者等に高く評価され、翌年から島根県警捜査第一課にAi の予算がつきました。近年その需要は高まっており、2021 年度は77 件、2022 年度は132 件、2023 年度は139 件実施しました。また、2023 年3 月には、80 列マルチスライスCTに更新し、高出力で広範囲の撮影が可能となり、Ai に適したCT 装置となりました。病院内に設置されたAi 専用CT 室で、様々なご遺体を対象とし、これほど多くのAi を実施しているAi センターは、全国的にも他に類を見ません。
 死因を解明することは残された遺族のためだけでなく、未来の公衆衛生や社会秩序を保つために大変重要なことと考えます。今後もAi センターは先進的な社会貢献を推進していきます。