部長 新野 大介 教授
スタッフは4 名の医師と1 名の歯科医師(うち4 名が専門医有資格者)と8 名の臨床検査技師(細胞検査士は院内に8 名)およびクラーク1 名で高い精度と迅速性を目指して診断に取り組んでいます。
大学病院の病理診断全般を担当する部門で、全ての臨床科からの組織診および細胞診検体に対しての病理診断を行っています。また、他施設の検体についても、迅速診断および免疫染色や遺伝子検索等の特殊検査の実施やその評価などに応じています。病理解剖については、院内だけでなく外部施設から依頼された症例についても受託解剖や出張解剖として対応しています。
診断の基本となるHE 染色や種々の特殊染色に加えて、免疫染色も積極的に活用しており、一般的な抗体は殆ど常備しています。さらに、他施設にない抗体も多く保有していますので外部からの依頼にも対応できます。診断に際しては、毎日カンファレンスを開催して複数病理医による評価を行っているほか、細胞診も定期的にスタッフ全員での細胞診カンファレンスを実施しており、細胞検査士5 名によるスクリーニングと専門医によるチェックを行い診断精度の向上に努力しています。また、年2 回の日本病理精度保証機構の外部精度評価にも毎回参加しています。
病理検体からの遺伝子検索(悪性リンパ腫診断、軟部腫瘍など)も実施しています。乳癌のセンチネルリンパ節転移の検索には分子生物学的手法であるOSNA(one step nucleic acid amplification) 法を中四国の大学病院としては最初に導入し、転移巣見落としの防止に威力を発揮しています。OSNA 法は2019 年11 月からその第二世代機器が稼働しており、より迅速で正確な検査が可能となっています。