島根大学医学部附属病院

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乳腺・内分泌外科

乳腺・内分泌外科_板倉先生

診療科長 板倉 正幸 診療教授

乳癌の診断、手術ならびに集学的治療を中心とし、幅広く乳腺・内分泌疾患の診療に取り組んでいます。

 

 

診療体制

 乳癌は、近年増加の一途をたどり、日本人女性の癌の部位別罹患率の第1位を占めています。最新のがん統計では、年間約10 万人の女性が乳癌と診断されています。年齢別罹患率では全国平均では40 代にピークを認めていますが、当院での年齢分布は高齢化が進む島根県の人口構成を反映してか50 代にピークを認めています。

 乳癌検診で精密検査を必要とされた方、自覚症状のある方、遺伝性乳癌の疑われる方に対応しています。乳腺X線撮影(マンモグラフィ、トモシンセシス)、超音波検査(ドップラー、エラストグラフィー)、必要に応じてMRI、CT 等の画像診断、細胞診、針生検、さらにはマンモトーム( デジタル型乳腺生検装置) 等の最新技術を導入し、乳癌の早期発見と確実な診断を目指しています。遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の診断・治療に関しては、臨床遺伝診療部、産科婦人科との連携の下で行っています。

 

診療の特徴

 乳癌手術の中心は乳房切除術(皮下乳腺全摘術を含む)と乳房温存手術ですが、当科における年間の温存率は平均60%前後です。精度の高いセンチネルリンパ節生検法(3D- リンフォCT グラフィ、RI 法、蛍光赤外線観察法)ならびに診断法(OSNA 法)を駆使し、温存乳房の再建には乳房下溝線部脂肪筋膜弁法、遊離脂肪片移植法、内視鏡手術などを導入し、人工乳房( エキスパンダー/ インプラント) の保険適用とともに乳房切除後の再建手術も導入し、形成外科と協力して一期的・二期的乳房再建に取り組んでいます。また、早期乳癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)が保険収載となりました。当院でも新規技術に対応するため日本乳癌学会の適正使用指針に基づいた準備を開始しました。再発乳癌の場合は、治療の第一の目標は、QOL を保ちつつ癌とともに長く付き合う( 長期生存) ことですが、近年新たなCK4/6 阻害剤、PARP 阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤が開発され、再発乳癌に対する効果が期待されています。効果のある薬剤を判定するためのコンパニオン診断も随時導入しています。また、自宅での生活を優先できるよう、外来化学療法室での抗癌剤治療を推進するとともに、緩和ケア医療も積極的に導入しており、地域の医療機関と情報交換を行い、患者さんを中心によりよい医療と安全を提供する「地域連携」の仕組みに取り組んでいます。

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