診療科長 馬庭 壯吉 教授
病気やけがで生じた様々な障害(身体機能、日常生活動作など)に対して理学療法、作業療法、言語聴覚療法を行い、日常生活の自立、社会復帰をサポートします。
主に入院中の患者さんの診療を行っています。
脳血管疾患等リハビリテーション(以下「リハ」という。)料(I)、運動器リハ料(I)、呼吸器リハ料(I)、心大血管疾患リハ料(I)、廃用症候群リハ料(I)、がん患者リハ料の施設基準を取得しています。医師7 名(写真1)、理学療法士26 名、作業療法士10 名、言語聴覚士4 名、看護師2 名が担当しています。
循環器疾患については心臓リハ指導士4 名を中心に早期リハを行っています。集中治療部には理学療法士が常駐し、人工呼吸器関連肺炎の予防に努めています。2021 年10 月からは高度脳卒中センターにおいて理学療法士が早期リハを担当しています。
1)アスレチック・リハ:競技レベルへの復帰を目指すアスリートを対象として、主に膝十字靭帯再建術後の患者さんに実施しています。2023 年に設置されたスポーツメディカルセンターに協力しています。
2)慢性疼痛に対する認知神経リハ・認知行動療法:江草典政療法士長を中心に取り組んでおり、その記録が『ペイン・リハビリテーションを生きて』(共同医書出版社)として刊行されています。
3)ボツリヌス毒素治療およびフェノールブロック療法:筋緊張を緩和する目的で行っています。脳卒中後遺症、脊髄損傷後遺症、脳性麻痺の患者さんが対象です。
4)反復末梢神経磁気刺激(パスリーダーⓇ)、ロボットスーツHALⓇ(写真2)を利用したニューロリハビリテーション:主に③の治療後に、最新の治療機器を用いた麻痺肢の運動機能改善訓練を行っています。
5)骨粗鬆症リエゾン:酒井康生講師が中心となって、出雲圏域の骨粗鬆症治療率の向上、再骨折予防を行っています。服薬指導だけでなく栄養指導、運動指導など包括的な支援を行っています。
6)高次脳機能障害患者さんの自動車運転再開支援:脳卒中や脳外傷の後、高次脳機能障害を生じた患者さんに対して、ドライビング・シミュレーター(写真3)を用いた評価や出雲市内の自動車教習所と連携して実車評価を行い、主治医へ情報提供を行います。
7)嚥下造影検査・嚥下内視鏡検査:嚥下障害の病態を的確に判断するため、当科では従来から嚥下造影による評価を行っています。2023 年1月からは嚥下内視鏡検査も開始し、病態評価の精度向上に務めています。2024 年3 月からは嚥下用パスリーダー®︎ を使用した訓練を導入しています。