部長 谷戸 正樹 教授
12 名の視能訓練士が所属しています。視能訓練士とは、医師の指示のもと、小児の斜視や弱視の検査・訓練や視力検査などの眼科一般検査を専門に行います。
医師の診断・治療のために必要となる正確な検査データを提供します。
1.眼科一般検査
主に屈折・視力・眼圧・視野検査や画像診断検査など、医師の診断や経過観察に必要な検査を行います。また、術後や眼鏡が合わないなどの様々なニーズに応じて、眼鏡も処方します。
2.視能矯正
小児では、遠視などの屈折異常や斜視などが原因で弱視が引き起こされ、早期発見・治療が大切になります。屈折・視力検査をはじめ、斜視検査や立体視などの両眼視機能検査によって弱視の原因を調べます。必要に応じて眼鏡処方や健眼遮蔽法などを行い、弱視眼の視覚の発達を促します。
成人の斜視で複視が生じている場合は、対症療法としてプリズムレンズの処方をします。プリズムレンズは光学的に斜視を矯正し、複視を改善させます。
3.ロービジョンケア
ロービジョン外来では、視力・視野障害など視機能が低下した方に対し、情報提供や視覚・生活補助具などロービジョングッズの紹介・選定を医師と共に行います。日常生活の様子や困りごとを聴取し、ニーズに応じてロービジョングッズを試していただいたり、専門機関へ繋げたりします。
弱視訓練では従来の健眼遮蔽法に加え、タブレット型弱視訓練器のオクルパッドを用いた訓練も行っています。オクルパッドは両眼開放で訓練が行えるため、片眼遮蔽による遮蔽弱視などの副作用のリスクが抑えられます。また、ゲーム要素が取り入れられており、小児でも飽きさせることなく訓練に取り組めます。
ロービジョン外来では医師と視能訓練士に加え、定期的にライトハウスライブラリー、臨床心理士、JRPS(山陰網膜色素変性症協会)の方々に同席していただいています。それぞれの立場から情報提供やアドバイスをすることで、より質の高いロービジョンケアが行えるよう力を入れています。
眼科外来ではマイクロペリメータ(MP-3)を導入しています。MP-3 は、眼底像を観察しながら網膜に刺激光を投影し、網膜局所の感度を測定することができます。網膜の黄斑部が障害されると中心暗点が生じ、正面では見ようとする部分が見えない、あるいは見えにくくなるため視力も著しく低下します。MP-3 は、そのような症例に対して網膜局所の感度を測定し、黄斑部以外の感度の良い網膜部位で見る“ 偏心視”を獲得させるための訓練を行うこともできます。