おう吐や下痢といったつら〜い症状を引き起こす感染性胃腸炎。
幼稚園や学校などの集団生活で広がりやすく、家庭内で感染して家族みんなが…なんてことも。 感染しないための予防法や、かかってしまった時の対策方法についてsac、小児科の和田先生に話を聞きました!
ウイルス性の感染性胃腸炎といえばノロウイルスやロタウイルスが有名で、山陰地方の方言では「腸感冒」と言ったりしますね。ロタウイルスは2020年からワクチンが定期接種化されたためか、最近はあまり見なくなりました。他にもアデノウイルス、サポウイルスなどがありますが、数で言えばノロウイルスが一番多く、特に冬場はあちこちで流行する厄介な病気です。
ノロウイルスはおう吐や下痢、腹痛、発熱といった症状が特徴ですが、これといった特効薬があるわけではなく、整腸剤や解熱剤など症状を和らげる対症療法での治療となります。幸いあまり長引く病気ではなく合併症も起こしにくいため、多くは2〜3日で改善します。しかし症状がつらいこと、赤ちゃんからお年寄りまで全年代がかかる病気であることを考えると、やはり感染を防ぐことが一番大切です。
感染経路は、ノロウイルス感染者の便やおう吐物からの接触感染や飛沫感染などが多く、一番効果的な予防は手洗いです。石けんと流水で十分に洗い、清潔なタオルで拭きましょう。石けんでノロウイルスを失活させることはできませんが、汚れを落とすことでウイルスをはがれやすくする効果があります。また、アルコールはノロウイルスには効果がないとされています。
そのほか、生牡蠣から感染することもあります。お子さんの場合は食べることはあまりないと思いますので、公共の場での感染がメインと考えられます。保育園や学校はもちろんですが、公衆トイレ、公共のおむつ台やベビーシート、ドアノブなども、触れたあとはしっかりと手洗いを。
また、症状が改善しても1カ月程度は便からノロウイルスが排泄されるといわれています。下痢の有無にかかわらず、おむつの処理後にはしっかり手洗いをしましょう。
ノロウイルスによるおう吐物は、乾燥するとウイルスが空中に漂い、口から感染することがあるので速やかに処理しましょう。使い捨てのマスクやガウン(エプロン)、手袋の着用がおすすめ。

感染者が使用した食器や、おう吐物が付いた衣類やシーツを洗う場合は他のものと分けて洗浄を。汚物を十分に落とし、85℃以上の熱湯に1分以上浸すか、次亜塩素酸ナトリウム液に浸してから、通常どおり洗いましょう。
おう吐や下痢があればまず受診を。その後も激しいおう吐が6時間以上続く場合は別の病気が疑われるため、再受診しましょう。また、半日以上おしっこが出ないなど脱水症状が見られる場合や、おう吐物が緑色、便に血が混ざるといった時にも迷わず受診を。
おう吐の症状が落ち着いてきたら、スプーン1杯程度の水分を摂取させてみる。10〜15分間隔で少しずつ量を増やし、100ml程度摂取してもおう吐しなければ、おかゆや軟らかいうどんなど消化の良いものを食べさせましょう。赤ちゃんなら母乳やミルクでOK。


しろうさぎ79号より(2025年1月発行)